在職老齢年金 改正 その1

 今回、在職老齢年金について一部改正がありました。これにより、65歳未満の老齢厚生年金の受給権者の方について、支給停止額の条件が緩和されています。
 この記事は、令和4年4月1日時点の法令に基づいており、今後の法改正があった場合は古い情報となり得ることにご留意ください。また、見やすくするため、あくまでも概要のみをご案内しています、個別の支給停止額の計算については別途考慮すべき部分もありますので、具体的な計算額はお近くの年金事務所へご相談ください。

 働きながら受給する老齢厚生年金は、給与や賞与の額によっては年金の一部又は全部が支給停止になる場合があります。支給調整の対象となるのは、特別支給の老齢厚生年金 又は 老齢厚生年金を受給中の次のケースです。

  • 70歳未満で勤務先の厚生年金に加入中の方
  • 70歳以上で厚生年金の適用事業所に勤務している方

在職老齢年金の支給停止額の計算方法 (令和4年4月〜)

  • 65歳未満の方の支給停止額の計算式は、令和4年4月以降 下記の計算式に変更されています
  • 計算式の中の数値が変わると当然ながら支給停止額は変わります(毎月一定とは限りません)
  • 雇用保険の高年齢継続給付金も受給している方の場合は、その受給額に応じて別途、併給調整もあります
  • なお、老齢基礎年金、経過的加算額、繰下げ加算額については、支給調整の対象外であり、全額支給されます

年金 基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超える場合

支給停止額 (月額) =( 基本月額 + 総報酬月額相当額 ー 47万円 )× (1/2)

 上記計算式中の用語の意味は次のとおりです。該当する金額を正しく確認のうえ計算式に代入することで老齢厚生年金の支給停止額(月額)が求められます。
 支給停止額を差し引いた年金受給月額がマイナスになる場合は老齢厚生年金(加入年金額を含む)は全額支給停止となります。

  • 基本月額 = 老齢厚生年金(加給年金を除く)÷12   特別支給の老齢厚生年金についても同様
  • 総報酬月額相当額 = 標準報酬月額 + ( 以前1年間の標準賞与額の合計 ÷ 12 )
  • 標準報酬月額 = 資格取得届・算定基礎届・月額変更届で決定された社会保険の標準報酬等級毎に定められている月額(○○○千円)のことです、手続き控えの書類に記載されています
  • 標準賞与額 = 賞与支払届で決定された賞与額の千円未満切り捨てした金額のことです、手続き控えの書類に記載されています

年金 基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円以下の場合

支給停止額 = 0円 (支給停止される部分はありません、年金は全額支給されます